Well-being
2024.12.10

仕事に没頭できる人が増加!? 丸井グループ社員が考えた研修の実態を調査

丸井グループは『すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブな社会を共に創る』をミッションに掲げ、Well-being経営を推進しています。「すべての人」の中には社員も含まれており、Well-beingに働くために会社の方向性と自分自身とのつながりに向き合う機会を設けています。今回は中でも社員が企画をした「ビーイングワークショップ」という研修に着目し、本当に研修を通して社員のエンゲージメントは高まっているのか?Well-beingにつながっているのか?を明らかにしていきます。

目次

    自分自身と向き合いながら働きがいを再確認!「ビーイングワークショップ」

    ビーイングワークショップとは、社員を含めたステークホルダーや社会全体のWell-being向上を目的とした社内プロジェクトのメンバーが企画した研修です。「Well-beingを社会に広めるためには、まず社員のWell-being度を高めることが第一ステップではないか」とメンバーが対話の中で気づき、社外のパーパスワークショップを研究したりしながら形づくられていきました。

    私たちは一日の1/3の時間、仕事をしています。しかし、今自分が行っている業務に意味ややりがいを見い出せずに、ストレスを感じることもあるかと思います。丸井グループで毎年実施しているストレスチェック*では「働きがいのある仕事だ」という設問に対し「そうだ」と回答した18%の内、86%の人が「会社のミッションや目的が自分の仕事が重要なものであると感じさせてくれている」という設問に対して「とてもそう思う」「そう思う」と回答しています。このことから、「会社のミッションやインパクトを実感・共感することが、働きがいにつながり、仕事におけるWell-being向上につながるのでは?」と考え、ビーイングワークショップを企画しました。現在はのべ1800名が体験し、実施後のアンケートでは96%が「自分の大切にしている価値観を言語化できた」 と回答しており、自分の大切にしている価値観と会社の方向性のつながりに向き合うことで日々の働きがいやWell-beingにつなげています

    ストレスチェック*より

    ビーイングワークショップって何をするの? 

    自分の大切にしている価値観を言語化できる研修とはいったいどのようなものなのか、ビーイングワークショップの実態に迫ります! 

    ビーイングワークショップでは3つのステップでグループの方向性と自分自身とのつながり合いに向き合います。ステップ1では入社当時の記憶や自分の人生について振り返り「自分の価値観の言語化」、そのうえで、ステップ2では丸井グループが掲げるインパクト*目標と現業のつながりを言語化します。最後にステップ3では現在の所属で働く意味をあらためて考えながら「自分の存在意義や価値観と会社のつながりを言語化」します。

    丸井グループのインパクト*の定義(IMPACT BOOK 2024より)

    研修は、「伝道師」と呼ばれる丸井グループの社員がファシリテートをしながら対話のサポートを行っています。伝道師とは、ビーイングワークショップを企画した社内プロジェクトのメンバーはじめとする社内講師のことで、伝道師となる社員も実際にワークショップを受け、Well-beingを実現したいと熱い想いで自ら手を挙げたメンバーです。

    参加者がリラックスできるような雰囲気づくりをしています
    画像左上:伝道師の草加マルイ 店次長 川瀬 啓之さん
    画像右上:伝道師の丸井 店舗サポート部 神田 敦子さん

    対話は2人一組のペアになって行い、インタビュー形式で相手の価値観を引き出します。また、対話中は自身の価値観の言語化に集中できるようインタビュアーがメモを取ります。対話後にはインタビュアーがメモを渡し、客観的な視点から自身の価値観を振り返る時間をつくることで自己理解を深めます。

    〈他社さまからもご参加いただきました!〉

    通常は社内研修として定期的に実施されているビーイングワークショップですが、共創を通じてかかわった他企業の方に興味を持っていただき、11月に開催された研修に実際にご参加いただきました。「なぜビーイングワークショップに興味を持ってくださったのか?」やビーイングワークショップを受けての感想を聞いてみました !

    4Revsという環境課題解決共創プラットフォームでご一緒した社員の方からご紹介いただき参加しました。自分が、「さまざまな方の個性を組み合わせ誰かのお役に立てること」に価値を置いていることが言語化できました。一方で、個の存在が否定される状況に対して感情が反応するパターンがあるという深い気づきがあり、涙が出ました。

    丸井グループの方と接する中で、ソーシャルイノベーションやWell-beingに関する取り組みを積極的に進められているのをいつも拝見しており、企業のビジョンと個人の価値観をどのように合わせているのか関心を持っていました。実際に参加してみて、なぜ今私がこの会社で働いているのかを振り返ることができました。また、ワークショップをご一緒させていただいた伝道師をはじめとする社員の皆さまとの対話を通じて、社員の個性を尊重することや仲間をつくることが大切だとあらためて学びました。社内に持ち帰り今回のワークショップについて紹介したいと思います。

    社員のエンゲージメントの変化

    自分の価値観と深く向き合う時間をつくるビーイングワークショップですが、参加後のアンケートではほとんどの社員がその効果を実感していることがわかっています。以下は2024年度上半期にビーイングワークショップに参加した社員のアンケート結果です 。

    ビーイングワークショップ参加前よりも「自分の会社の使命・目標は、自分の仕事を重要なものと感じさせてくれている」と回答した社員は9%増加しています。また、「日々の仕事に喜びや楽しさを感じている」と回答した社員も11%増加しているという結果でした。この結果からビーイングワークショップを受けた社員はワークエンゲージメントが向上しているということがわかります。

    伝道師に手を挙げたきっかけは?担当者にインタビュー

    ビーイングワークショップを進行している伝道師のお二人にビーイングワークショップを企画した背景や、今後の展望など熱いコメントをいただきました。

    エムアンドシーシステム R&Dセンター 志賀 万里奈さん
    ―志賀さんが伝道師になろうと思ったきっかけを教えてください!

    大学4年間心理学を専攻し(没頭しすぎて気づけば首席で卒業していました...!)、臨床心理士やカウンセラーの道をめざしたがことがある私は「相手に寄り添い心の声に耳を傾ける」ことをライフワークにしています。ビーイングワークショップに参加したのは育休明けで現配属に慣れてきたタイミングだったのですが、現業とインパクトのつながりを考えることで、自身の仕事への向き合い方がポジティブに変換されたのと同時に、先輩ママさんにインタビューしてもらうことで濃厚な時間を体験しました。自分のことを話し、誰かに聞いてもらう経験は意外と少なく、ビーイングワークショップは心理カウンセリングにも似ているのかなと思います。私がこれまで培ってきたことを活かし、社員とその先のステークホルダーの皆さまにお役に立ちたいと思って手を挙げました。

    丸井グループ サステナビリティ部 吉良 圭さん
    ―今後ビーイングワークショップを通じて実現したいことはありますか?

    「やりたいことは何?」「夢はないの?」と聞かれて困った人は少なくないと思います。ビーイングワークショップ企画当時の私もその一人で、価値観の言語化が必要だと思っていました。これは丸井グループに限らず世の中においても言えることではないでしょうか。特に将来世代である高校生、大学生に向けても有効なのではないかと考えています。おかげさまでビーイングワークショップは社員1800名まで広げることができましたが、社員のみにとどめず社外まで広がるムーブメントを起こしていきたいです。「自分の本当に大切にしていることは何なのか」それがわかった時、日々生きていく中での選択肢から自分の納得がいく選択ができるようになります。誰から言われたわけでもない自分で選択した人生こそ、Well-being(しあわせな状態)につながるのだと思います。

    編集後記  

    今回の取材にあたり私も実際にビーイングワークショップの研修を受けてきました!一人で自分の価値観に向き合うのとは違い、対話をすることで自分では気づいていない自身が大切にしている価値観を多角的に言語化していただき、気づきの多い研修でした。また、伝道師の皆さんは共に働く丸井グループの社員なので共感できる出来事や価値観があり、外部講師をお招きするのではなく、社員がファシリテートをすることが自分の価値観を言語化する近道になっていると感じました!今後もイチ社員として現業を通じて社会にインパクトを起こしていきたいです!

    この記事をシェア