丸井グループはさらなる成長に向けて、「『好き』を応援するビジネス」に取り組んでいます。今回は中でも「好き」への熱量や特定の課題に関心のある人が自主的に集まり、グループとしての解決策を提案することを目的とした「グループ公認イニシアティブ」の一つであるサウナイニシアティブの皆さんから、活動の目的や本業との両立、苦労話などを聞きだし謎多きチームを徹底調査します!
サウナイニシアティブは、「サウナのファンダム拡大」というテーマで一人ひとりの好きと利益の両立をめざし、「好き」を活かしたサービス提供を検討するチームとして2024年の5月から活動を開始しました。所定労働時間のうち3割程度をイニシアティブの活動時間に割り当ており、現業と兼業という形で両立しながら取り組んでいます。
サウナ好きという共通点でtsumiki証券のCEOである青木さんと仲良くさせていただいていた経緯から、社内で管理職から新社員まで集まるサウナ好きの会、「サウナ部」を立ち上げました。そこから(青木さんの後押しもあり)自分の「好き」を活かし、2023年に新宿マルイ 本館で日本最大規模のサウナイベントとして「全国サウナ物産展 2023」を開催しました。丸井グループでは「『好き』を応援するイベント」には活発に取り組んでいますが、アニメやアーティストなどすでに人気が確立しているジャンル以外でも大規模な企画として実施することができました。
この事例を代表の青井さんとお話する機会があり、その際に「サウナ事業部を立ち上げたい」と提案したことがイニシアティブ発足のきっかけです。社員の「好き」を活かしつつ働いてもらいたいという青井さんの想いと、「好き」を事業化したい私自身の想い、ここのタイミングが一致したことで発足につながっていったと思います。
―活動するうえで大切にしていることを教えてください!
会社の利益に貢献することはもちろんですが、サウナ業界に丸井グループが参入することでお客さまとサウナ施設との「三方よし」の関係をつくり、サウナを一過性のブームではなく文化として根づかせたいという想いがありました。というのも、2019年ごろからのサウナブームが徐々に落ち着きを見せている中で、サウナ施設の方々からはこの勢いは続かないのではないか?という懸念の声を聞いていました。過去にも似たようなサウナブームは何度かあったのですが、文化と呼ばれるほど広く定着することはなかったです。
そのため人気の施設ほど自分たちの利益だけで終わらせずに業界全体を盛り上げていかなければならないという使命感を持っているように思います。だからこそ、サウナ施設を利用して丸井グループだけが儲けるのではなく、お客さま・サウナ施設・丸井いずれにとってもプラスになる、「三方よし」の仕組みをつくる必要性を感じました。そのための手段の一つとして、今年はイニシアティブの活動の一環で「全国サウナ物産展 2024」を企画しました。
―チームはどのような雰囲気で活動しているのでしょうか?
もともとは組成されたチームの中で、イベントやアプリ開発の経験者などそれぞれの特性に合わせた役割分担をして活動していました。ただ、イニシアティブの意義として「新たなものを生み出す」ことを掲げているため、役割で分けすぎずにチームとして新しいものをつくっていこうという方向性に変えていきました。そうした動きもあり、チームでは和気あいあいというよりも、良いものをつくるために意見をぶつけ合うような雰囲気になっていると思います。イニシアティブには明確に管理職のようなリーダーがおらず、なおかつ本業ではないプロジェクト形式で集まっている場だからこそ意見が言いやすいフラットな関係性を醸成できているように感じています。もちろん「全員サウナ好き」という前提はありますけどね(笑)
―イニシアティブに応募したきっかけを教えてください!
白鳥:前職を辞めてから丸井グループに入社するまで、複数のWeb制作をかけ持ちしていたのですがそれが楽しくって。入社後も慣れてきたら副業をしたいと思っていました。そんな時に募集を知って、副業のような働き方ができると思い応募しました。
また、サウナに対して「趣味よりもさらに生活に根づいたものになっていくべき」という想いがあります。私は家の近くのサウナに定期的に通っていて、美容院のように自分のメンテナンスとして足を運んでいます。これらの行為って趣味というよりも生活という言葉の方が近いのかなと思います。体や心をスッキリさせたいタイミングでサウナを楽しむ感覚を知ってもらえると趣味としての楽しさだけではなく、生活に根づいた「好き」になっていくのでは?という点に可能性を感じています。
何よりも私自身、サウナが好きで恩返しをしたいという想いが根底にあるからだと思っています。
渡辺:私の場合は、「好きなことを仕事にできる絶好のチャンス!」だと思って応募しました。
が、実は背景にはいろいろな想いがあって。
丸井グループではグループ間職種変更異動が活発なため、私も「さまざまな職種を経験することでやりたいことを見つけたい」と思い入社を決めました。しかし、実際に5社ほど経験する中で自分のやりたいことを見失ってしまった時期がありました。なかなか前向きになれず本業にも気持ちが入らない、一方でプライベートでは大好きなサウナに一層のめり込み、本気でサウナ業界に転職しようかと考えていました。そんな時にサウナイニシアティブの募集があり、プライベートでの経験も活かせるかもしれないと考え、手を挙げました。
―チームではどのような活動をされているのでしょうか?
私たちはおもに新規サービスの開発に取り組んでいます。現在は具体的なサービスの内容を考えながら、ユーザーインタビューを進めている段階です。ただ、最初に森さんからもお話があったように、完全に役割で分かれているというよりはチーム全員で議論をしながら納得感をもって進めています。
―お二人から見てチームの雰囲気はいかがですか?
渡辺:自分たちの好きなことを仕事にできているので、対話や議論をする中で普段よりも積極的に発言できており、イキイキと働けていると思います。対話でうまく伝えられた、共感してもらえた...といった成功体験が本業にも良い影響を与えていると実感しています。また、業務後に食事に行くことも多いのですが、その際にはサウナくらい熱い話をしています!それこそイニシアティブの延長で対話が続いている感覚です。決して業務としてではなく自然発生的に、「好き」という想いがあるメンバーだからこそ本音で熱い話ができる良い場になっているなと思います。
白鳥:良いサウナを見つけたらすぐに共有したがる慣習もありますよね。
おすすめのサウナを聞くと、すぐさまメンバーから返信がきて、「結局どこ行ったの?」みたいな会話になります。
―部署が忙しい時期もそれぞれだと思うのですが、やりにくさは感じていますか?
白鳥:部署もイニシアティブも繁閑があるので、周りの方にサポートいただくことはあります。私の場合、部署は水日休みですが、イニシアティブの活動で水曜日は出社しています。そのために部署と休みがずれて業務に穴を開けてしまうこともあるのですが、皆さんの理解もあり休みの前に仕事を振ってもらうなどして、なるべく本業に支障が出ないように調整しています。
イニシアティブは好きを仕事にしているので、つい本業中も頭の片隅で考えてしまうこともありますが、そこはなるべく自分の中で分けるようにしています(サウナに入りながら考えることもありますね)。
サウナに入っている時や外気浴で整っている時にアイデアがミストサウナのように降ってくることもありますよね!
渡辺:私もメンバーに恵まれており、本業でもイニシアティブでも助け合いを大切にしながら働けています。自分が大変な時には相談するし、誰かが大変な時は皆でカバーするといった状態がつくれているからこそ、どちらの仕事にも取り組むことができています。
渡辺:これが今日一番言いたかったのですが、好きなことで活躍している自己効力感が、自分の本業に取り組む姿勢やメンタルにも良い影響を与えていると思います。もともと好きなことを仕事にすることは自分のしあわせのためという観点がきっかけだったのですが、結果として会社へのエンゲージも高まってきています。
サウナが好きだからこそ自然とアイデアが生まれ、自発的に行動できるようになったことが大きいと思っていて、その積み重ねによって自己肯定感が上がっていきました。仕事へのモチベーションが湧きにくかったころから考えると、本当に大きな変化だと感じています。
白鳥:私も好きなことを仕事にさせてもらえていてとても会社に感謝していますし、以前より「会社のために頑張ろう」と本業へのモチベーションも高まっています。日々正解がないことに対するイニシアティブの難しさは実感していますが、メンバー全員が対話や活動へ積極的に参加しているのでどんどん前に進んでいる感覚が生まれ、イキイキと働くことができています!
今回はサウナイニシアティブの様子を取材させていただきました! 好きなことを仕事に持ち込んだら自己効力感やエンゲージが高まり、結果として会社への感謝や帰属意識も高まってくる。サウナ愛に溢れる皆さんのお話をうかがう中で、そんな様子を感じていただけたのではないでしょうか。
私もサウナへの熱量に触れて、なんだかサウナに行きたくなってきました・・!