働き方
2025.3.7

カラフルキャリア ~私の原動力~#14「わくわくと困難、どちらも経験して『興味の連続』を続けたい」

丸井グループでは「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」を経営理念に掲げ、人的資本経営に取り組んでいます。手挙げ制による自主的な学びの場への参加やグループ間職種変更など、多くの社員がさまざまな経験をそれぞれのキャリアに役立てて活躍しています。 連載「カラフルキャリア~これが私の原動力~」では、多様なキャリアで活躍する社員に注目し、その原動力をひも解いていきます。今回は、「小売経験を活かして新たなフィールドで活躍する社員 」をテーマに、エポスカードの関西支店で活躍する小泉さんにお話を聞いてきました。

目次

    「ピカピカの1年生のような気持ちで」新たなチャレンジ

    ──小泉さんの現在のお仕事について教えてください

    歯科医院での治療や運転免許取得にかかる費用を無理なくご返済をいただくエポスカードのローンを広める仕事をしています。私はおもに歯科医院にデンタルローンの導入をおすすめする仕事をしており、患者さまの分割でお支払いしたいというニーズをご理解いただくことで新規の提携医院拡大に努めています。また、加盟後は積極的にエポスカードのローンをご利用いただけるよう、ご利用促進の営業も行っています。

    ──営業先への訪問は、一人で行かれるのでしょうか?

    配属当初はサポートをいただいていましたが、現在は基本的に誰かと同行することはなく一人で営業に回っています。入社して以来初めての営業職なのではじめは毎日が学びの連続でした。

    ──そうなんですね!定年を機に長年携わってきた小売を離れて、フィンテックかつ営業職という初めての職種や新しい環境に不安はありませんでしたか?

    多少の不安はありましたが、むしろ今までやったことがない仕事をやってみたかったんです。2023年の4月から再雇用になりましたが、本音を言うと、雇用形態や職務が変わることは心理的な負担が結構大きいと考えたんですよね。なので、定年後の再雇用は現役時代の延長ではなく、新しいキャリアを築く貴重な機会ととらえ、仕事内容も環境もガラッと変えてみようと思ったんです。過去の栄光や役割に執着せず、ピカピカの1年生のような気持ちで挑戦したら楽しめることもあるんじゃないかと。

    営業職ド新人の私を暖かく迎え、新たな経験をサポートしてくださる皆さんには感謝しています(画像右から3番目が小泉さん)

    部下が自分を育ててくれた

    ──小売のキャリアが長い小泉さんですが、もともとファッションがお好きだったんですか?

    入社当時は、高校を卒業したてだったのであまり深いことは考えていませんでしたが、もともと人と接することは好きだったので、接客ができればと思って入社しました。DCブランド*ブーム前の入社でしたし、当時はファッションに興味がありませんでした。また、私が入社した1981年以前は高卒入社の社員が少なく、一回りも歳の離れた先輩方から厳しくご指導いただいたのを覚えています(笑)。

    幼かった当時の私には大変なことも多かったのですが、ファッションのおもしろさに気づいてからは仕事が楽しくなりましたね。
    私が店頭で接客をしていた当時は、今のようなインターネットなどなかったので、雑誌や展示会から情報を収集したりして、お客さまの声やトレンド情報を集めるのも一苦労でした。でも、「正解はこれ!」というものがないからこそディスプレイを工夫したり、いろいろとチャレンジをしてお客さまにお買い求めいただいた時にはものすごくうれしかったです。自分の常識にとらわれず仮説を立てトライ&エラーをくり返すことが大切だと大きな学びになりました。

    DCブランド*:Designer's&Character'sの略で1970年代後半から1980年代にかけて日本で流行した高級・個性的なファッションブランドの総称

    ──お客さまの反応はやりがいにつながりますよね!ほかにも小泉さんが仕事をするうえでやりがいを感じる瞬間はどのような時ですか?

    人の成長に少しでも貢献できたと感じられた時にやりがいを感じます。30年弱いろいろな部署の責任者をしていましたが、部下が昇進できたとかではなく、一緒に働く仲間の強みや個性を引き出すことに少しでも役立てた時はうれしいです。それは私自身部下に助けられた経験がとても多く、部下に成長させてもらったと言っても過言ではないからです。
    これは一つの例ですが、店舗の新しい陳列に悩んでいた際に、経験の長い社員はこぞって人気のお店や同業他社を研究して提案をしてきました。しかし、とある部下はたまたま目に留まった色鉛筆から着想を得て異業種である「文房具店」を参考にできないか?と提案してきたんです。新鮮で楽しい色の配列や『試し書き』を試着のしやすさに置き換えるなどの着眼点には驚かされました。
    つい前例にとらわれてしまい、視点が狭まってしまうことがありますが、部下の提案のおかげで視野が広がった経験がたくさんあります。
    丸井グループの経営理念に「人の成長=企業の成長」という言葉がありますが、私自身部下に育ててもらったと思っているからこそ、自分も人の成長に貢献して企業の成長にも寄与したいという想いがあります。

     キャリアの転機となった店舗の責任者時代です(画像前列真ん中が小泉さん)

    ──小売のキャリアで培った経験は現在のお仕事でも活かされていると感じますか?

    小売でのキャリアを通じて、固定観念にとらわれずに新しいことに挑戦することができるようになったと思いますし、それは現在の営業の仕事にも活きていると思います。
    正直、営業の仕事は販売と似ていると言われることも多いですが、いざやってみると別物。とても難しいです。数ある商業施設の中からマルイを選んでご来店いただいたお客さまに接客をするのとは異なり、営業は多くの人の中から興味がある人を見つけるところから始まる大変さがあります。しかし、できなかったことができるようになるおもしろさも同時に感じています。
    膨大な情報が溢れる現代では、自分の好きなもの以外をシャットアウトし、ほかの情報に触れる機会を逃してしまう「フィルターバブル」と呼ばれる状況が多くあります。でも、それではつまらないと思うんです。だからこそ、営業の仕事を通じて私自身も新しい発見を楽しみながら挑戦し続けています。

    わくわくと困難、どちらも経験して「興味の連続」を続けたい

    ──小泉さんの働く原動力を教えてください!

    「何でも楽しみたい!」という好奇心だと思います。本来は怠け者で臆病な性格ですが「人の行動の半分は習慣でできている」ともいわれていますから、自分で環境を変える努力をしてきました。50歳を過ぎても博多マルイの開店準備メンバーの公募や海外派遣セミナー*にも自ら手を挙げ、いずれも最年長で参加しました。
    再雇用後の関西支店への赴任も含め、無理やり環境を変えることで現状維持をしないというのが、私にとってはとても大切なことなんです。行ってみたら大体何とかなりますし、楽しいことがついてくる。仕事を通じてわくわくと困難、どちらの状況も経験することで「興味の連続」を続けたい、それが私の働く原動力です。

    海外派遣セミナー  *:アジアやヨーロッパ、アメリカなどの海外マーケットを視察し学ぶため福祉会が主催していたセミナー。社内公募により参加者を募り、選ばれた数十人のメンバーが数日間の研修ツアーに参加できる。現地の商業施設を巡り、企業訪問などを行う。

     博多マルイの開店準備に向けて仲間と切磋琢磨した日々はとても印象に残っています(画像一番左が小泉さん)

    ──最後に今後叶えたいことを教えてください!

    定年退職後も社会とつながりたい、挑戦し続けたいという気持ちがあります。そのためには体力が大切だと60歳を超えてさらに実感しました。チャレンジするには、事前学習や新しい現場での自己学習も大切です。しかし、気力や体力がないと何もできない、まさにすべての基本は「心・技・体」だと思って健康には人一倍気をつけています。目標は100歳まで元気に働ける身体でいることです!

    余談ですが、最近健康のためにジムに通い始めて、地元(大阪)のおじさんたちと仲良くなりました。その中の一人が、たまたま大阪の大きな教習所のオーナーで、新規お取引先さまになっていただき今期の実績に大きく貢献してくれています(笑)。環境を変えることはハードルが高く感じるかもしれませんが、必ず行った先で楽しいことが起こるんです。なのでこれからも挑戦を続けていきたいですね。

    〈番外編〉変化を恐れず前向きにチャレンジしている小泉さんに今までで印象に残った出来事TOP3を聞いてみました!