働き方
2024.11.1

性別役割分担意識や女性特有の健康課題を学ぶ「26歳研修」男女共に参加する意味って?

人的資本経営に取り組む丸井グループの研修の一つに、26歳で実施するキャリアデザインプログラムがあります。 結婚や出産などのライフイベント、そして管理職としてマネジメントをする立場になる手前のタイミングで男女共に「性別役割分担意識」や「女性特有の健康課題」について学び、性別に関係なく、一人ひとりが自分の可能性にチャレンジできることを目的にしています。 研修に参加した26歳の社員は本研修からどんな気づきを得たのでしょうか?インタビューしてきました!

目次

    キャリアデザインプログラム(26歳研修)とは

    これからのキャリアの可能性を最大化するために、ライフイベントに大きくかかわる「性別役割分担意識」と「女性特有の健康課題」について正しく理解し、そのうえで理想のキャリアを描き、実現のためのアクションを考えます。今回は、今年度26歳になる社員、男女あわせて41名が参加しました。

    26歳の社員は研修からどんな気づきを得たのでしょうか?

    2名の社員にお話をうかがいしました!

    ―研修で印象深かったことや、研修前後で意識が変わったテーマはありますか?

    身近なアンコンシャスバイアス*について考え、乗り越えるための解決策を探すための対話を行ったのですが、その中で「自分はアンコンシャスバイアスを持っていると思います!」と発言した社員がいました。
    一般的に "アンコンシャスバイアス=悪いこと"だから、持っていてはいけないととらえられていると思いますが、そんな中で「自分は持っていると思う」と発言してくれたことで、誰しも何かしらのアンコンシャスバイアスを持っていているというとらえ方をしても良いのだと気づきになりました。そのうえでどう振舞うか、皆で議論して理解を深めることができました。

    *アンコンシャスバイアス:無意識の偏見や思い込みから偏ったものの見方をしてしまうこと

    私はもともと性別役割分担意識などに関心があり、大学院で研究をしていたので知っている内容は多くありましたが、自分の能力や現在の地位を「まぐれ」と感じてしまう自己不信の状態を表す「インポスターシンドローム」について初めて研修で学びました。おもに女性に見られるようで、ここに性差が現れることがとても印象的で、自分のことを認めることまでもが阻害されてしまうのは重大な課題だと思いました。
    私自身も当てはまることが多くて、あ、なるほど「インポスターシンドローム」というものがあるんだなと、勉強になりました。

    ―女性に多く現れると紹介されたものが、ご自身にも当てはまるなと、初めて研修を通してわかったのですね。自分の思考の癖や特徴がわかると、自己分析にも役立ちそうですね。
    実は女性のキャリアに関する研修は、以前は女性社員のみが対象で、年齢も26歳での実施ではなかったんですよ。

    そうだったんですか?!

    ―もともとの大きな目的は、女性社員が結婚して子供が産まれても仕事を続けられるということを伝える研修だったそうです。
    それが時代の変化と共に、結婚・出産による離職率も低下し、男女関係なくすべての人がそれぞれのキャリアを考える機会にしていただくため研修の内容も変化していったそうです。

    現在では女性特有の健康課題を社会課題としてとらえて、男性もサポートする側として必要不可欠な知識として知っていただき、男女関係なくどう乗り越えてキャリアを形成していくか、という研修に変わったんです。
    なので研修対象が女性のみであれば陸口さんがインポスターシンドロームに気づくこともなかったかもしれないですね。

    なるほど。男女に研修が広がったことで気づくことができたんですね!

    ―キャリア形成において最も重視する価値観という「キャリアアンカー」を具体化するワークがあったと思いますが、ワークを行ってみていかがでしたか?

    自己分析に近しいような内容で、就職活動の時は何回もくり返し行い自分の長所や短所にとことん向き合って会社を選んだりしていましたが、社会人になってからは忙しく自分と向き合う時間が減っていました。なので、ワークの中でキャリアの最終的なゴールや自分のキャリアの軸をあらためて考え、それに対して短期的にどうしていくべきかも考えることができて、原点に立ち返ることができました。

    ―なるほど。川口さんの軸はズバリ何ですか?

    コミュニケーション力が自分の長所だと思っているので、人に寄り添える仕事がしたいということです。ワークで一緒に参加した社員からいろいろと質問いただいて深掘りした結果、あらためて気づくことができました!

    ―すてきですね!いつまで働くかは人それぞれのキャリアプランにもよりますが、働き続ける間は自分の軸を忘れずにいたいですね。

    私はまだ入社して半年も経たない時期にこの研修を受けたというのもあり、自分の持っているものや経験よりは、何がしたいかに根ざして考えていた部分はもともとあったと思います。一方でインポスターシンドロームの話にもあったように自分に何ができるのかを否定的に見てしまいがちでした。
    研修を受けて自分が何をしたいか、という心の声に素直に従い、かつその自分自身のことも歪まずに見て、自分にとってより良いキャリアを築いていけたらいいのかなと思います。

    ―26歳という年齢ではあるものの、新入社員というタイミングでの研修についてはどうでしたか?

    年齢で言えば自分の友人など周りもライフイベントの変化があったりするので早すぎるとは思いませんでしたが、キャリアについて考えるという点では、もう少し後であれば川口さんみたいに軸を持つことの大事さに気づけると思いました。

    ―キャリアについては、半年に一回、めざすゴールやそれに向けて何年後にどうなりたいか、そのためにどんな部署で仕事をしたいかなどを会社に自己申告できる仕組みがあるので、都度立ち止まって考えることができそうですね!

    ライフイベントもキャリアもあきらめてほしくない!研修担当者の想い

    丸井グループ ウェルビーイング推進部(研修当時は人事部ワーキング・インクルージョン推進担当)金沢 仁美さん

    この研修は、ライフイベントを迎える前に正しい知識を得ることでキャリアの可能性を最大化してほしい、ということに加え、今後グレードが上がって部下を持った時に一緒に働くメンバーの成長や活躍をサポートできるようになってほしいという想いがあり、対象を26歳という形にしています。

    2021年から研修の参加対象となった男性社員からは、女性の健康課題について「こんなに悩んでいると知らなかった」との声や、生理痛で悩む社員とその上司を想定したロールプレイングでは「実際に悩みを相談されたらまだ不安だが、前もって考える機会になって良かった」との声をもらいました。
    参加した社員の皆さんが、健康課題に悩む同僚や部下から相談された際に、「自分だったら何ができるだろう」と考えるきっかけになることができたのではないかと思います。

    また、今回一番お伝えしたいことは、「あきらめてほしくない」ということです。

    結婚・出産などのライフイベントとキャリアプランどちらかを取らないといけないと悩む方は少なからずいらっしゃいます。
    キャリアアンカーを把握しつつこれからの人生で起こる健康課題を予想して、計画してうまくライフイベントとキャリアプランにあきらめずに向き合っていただけたらうれしく思います。

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