丸井グループでは「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」を経営理念に掲げ、人的資本経営に取り組んでいます。手挙げ制による自主的な学びの場への参加やグループ間職種変更など、多くの社員がさまざまな経験をそれぞれのキャリアに役立てて活躍しています。 連載「カラフルキャリア~これが私の原動力~」では、多様なキャリアで活躍する社員に注目し、その原動力をひも解いていきます。今回は、バブルの時代に入社をし、小売一筋でキャリアを重ね、現在は店舗サポート部の部長である池田信男さんにお話を聞いてきました。
──池田さんは現在どのようなお仕事をされていますか?
マルイ・モディ店舗にかかわる業務全般を担当している店舗サポート部の部長を務めています。具体的には、イベントの企画開発・運営を行う部門や、マルイ内外のショップの運営を受託する部門、店舗の安全管理や営業サポートをしている部門など、全部で約400名が所属する大所帯の統括をしています。本社と現場を行き来する毎日を送っています。
──「小売一筋」の経歴ですが、もともと小売業に興味があって丸井グループに入社したのですか?
実は、就活当時は「小売業がしたい」という想いは特別ありませんでした。就活の軸は親孝行ができそうな会社(笑)。丸井グループは社風が良くて、成長性も見込める会社だと思い、入社しました。最近の若手社員のような「社会貢献につながる活動をしたい」などの明確な目的はなかったけれど、漠然と「誰かのお役に立ちたい」とは考えていました。
──入社後はどのようなモチベーションだったのでしょうか?
「目の前の人のお役に立ちたい」というモチベーションで、売場での接客・販売の仕事に真摯に向き合いました。客数が多く忙しいショップでしたが、楽しみながら接客をしていたと思います。その結果、マルイ全店対象の販売コンクールで「本部長賞」を受賞したり、エムワンカード(クレジットカード)のご案内実績でギネスを記録したりと、成果もついてきて、やりがいを感じていました。
──現場、本部とさまざまな角度から丸井グループの小売を支えてきた池田さんの転機を教えてください!
転機は二度あります。
一度目は、30代で経験したブランドバイヤーです。新規ブランドの開発を進める中で、お取り引きは難しいと言われていた、当時大人気の海外ブランドに交渉をして、契約を結べたことが自分にとって大きな経験となりました。
ここで意識したのは、「イコールパートナー」の考え。これは、現在の丸井グループの軸である「共創」の考えに近しいもので、「常にお取引先さま視点で考え、Win-Winの関係性を築く」というもの。「お取引先さまにとっても本当に良い取り組みなのか?」ということを追求し、提案をするようにしました。
年間優秀バイヤー賞を受賞(2000年ごろ)
二度目の転機は40代で経験したマルイ・モディ店舗の店長です。この時、会社として戦略的に「百貨店型からSC型へのトランスフォーメーション」を進めている時期でした。私は採算の厳しい店舗を任されたのですが、「これまでお世話になった大好きなお店を黒字化したい」という想いで、SC型を意識した大型テナントの導入を進めました。
また、新たな試みとして、アニメや音楽イベントの開催にも挑戦しました。今でこそ、「マルイといえばアニメ」という認知が広がりましたが、私が店長に就任した当時はアニメとのコラボは未知の領域で、ハードルがいくつもありました。知見のある社員に直接相談をして、仲間を増やしながら形にしていきました。
──二度の転機で、ぶつかった壁やそこでの気づきはありましたか?
「自分一人の力では何もできない」ということを実感しました。
売場で接客・販売をしていたころは、一人で戦っている感覚がありました。私の学生時代の部活動を振り返ると、ウェイトリフティング部で個人競技にのめり込んだ原体験があり、「誰かに頼るのではなく、自分個人の頑張りがすべて」という意識が染みついていたのかもしれません。
ですが、30代、40代とステージが上がっていくにつれて、「大きなことを成し遂げるために、皆で同じゴールをめざして、チームとして最大限の力を発揮するにはどうしたら良いか?」というマインドが築かれていき、自身の言動も大きく変わりました。
現在は店舗サポート部の部長として、数値に対する進捗確認だけでなく、丸井グループがめざすインパクトの実現に向けた対話を社員一人ひとりと実施したり、日頃からのコミュニケーションを大事にしています。
渋谷マルイ 店長時代の様子(2014年)
──池田さんの原動力は何ですか?
「与えられた場所でベストを尽くしたい」「誰かのお役に立ちたい」と常に思っています。私の今の役割は「店舗そのものや、小売で働く皆を元気にする」ことだと思っているので、それが原動力です。
店舗には頻繁に足を運ぶようにしており、現場で働く社員と「元気?最近どう?」という何気ない会話をしています。また、そこでの気づきや生の声から改善につながることも多々あります。以前は私から声をかけることが多かったのですが、最近は現場スタッフの方から「池田さん、聞いてください!」と声をかけてくれることが増え、イキイキと仕事をしているなと感じることが多く、それが私自身の生きがいにもつながっています。
──最後に、今後チャレンジしたいことを教えてください!
丸井グループは、時代のニーズに合わせてさまざまな変革を進めてきました。自分もそれと同様で、「お役に立ちたい」精神を持ち続けながら、小売事業、そして丸井グループの発展をめざして新しいことに挑戦してきました。今後も引き続き、このような想いでチーム皆で取り組んでいきます。
私個人としては、現業以外のところでも「世の中のためになりたい」という気持ちが芽生えてきました。社内外のさまざまなコミュニティに参加しているのですが、私がこれまで培ったノウハウを求めている人がいたら、お役に立てたら良いなと思います。
部下とのコミュニケーションを大事にしているという池田さん。
そんな池田さんをよく知る店舗サポート部の皆さんに、「池田さんってこんな人」というテーマで、実際のエピソードを交えながらお話しいただきました!
誰よりも現場視点を持っていて、店舗で働く社員やその先のお客さまのことを常に考えてくださっています。池田さんの圧倒的な行動力には驚くことが多く、それは現場を第一に想っているからこそのスピード感や意思の強さだと感じています。また、組織が大きいからこそ、日々の小さなコミュニケーションも大事にされていて、皆から信頼されています。
(店舗サポート部 大友 一康さん)
池田さんは強面で大柄なので一見怖い印象がありますが(笑)、部下想いの優しい上司です。過去に、私がお取引先さまとの契約内容について悩み、池田さんに相談したことがあったのですが、話を細かく聞いてくれてその場でどうすべきかの判断をしてくださり、その後すぐに行動に移すことができました。とても心強くて、私も池田さんのような頼りになる上司になりたいと思いました。
(店舗サポート部 大石 奈津子さん)
池田さんは、対話の時間を大事にされています。私は現在、子育て中のママ社員が、マルイ・モディ店舗での親子向けイベントの企画・開発を行う部横断のプロジェクトに参加しています。これは「小売で働くママたちが活躍できる&息抜きできる交流の場を」という池田さんのアイデアのもと発足されました。短時間勤務で働くママとしては、こうした配慮が本当にうれしいです。
(店舗サポート部 市橋 夏美さん)