働き方
2023.12.21

カラフルキャリア~これが私の原動力~#01「誰かが楽しんでいることが私も楽しい」

伊藤 正泰(いとう まさやす) 丸井グループ 調査部

丸井グループでは「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」を経営理念に掲げ、人的資本経営に取り組んでいます。手挙げ制による自主的な学びの場への参加やグループ間職種変更など、多くの社員がさまざまな経験をそれぞれのキャリアに役立てて活躍しています。 そこで、多様なキャリアで活躍する社員に注目し、その原動力をひも解く連載企画「カラフルキャリア~これが私の原動力~」をスタート!初回となる今回は、あるお客さまとの出会いをきっかけに社会課題解決へ向け自らアクションを起こし続ける社員に話を聞きに行ってきました。

目次

    知らなかったことがつながっていく瞬間にやりがいを感じる

    ー伊藤さんの現在のお仕事について教えてください。

    世の中の中長期的かつ不可逆的な変化をとらえて、それが丸井グループとどう重なっていくのかを考え、仮説に基づいた未来視点の調査をしています。
    調査はデスクトップリサーチや有識者のセミナー、書籍やSNSなど、さまざまなツールを活用しています。また、調査部の立ち上げ当初から「現地現物による一次情報のインプット」も大切にしています。日本国内でまだ広く認知されていない分野であれば英語のキーワードでWeb検索するなど、広くアンテナを張っています。その後、仮説をもとに経営陣と対話し、経営の意思決定をサポートすることをミッションとしています。
    その中で私が担当しているのは、出資先ファンドからいただいた情報を編集した社内向けレポート「グローバルトレンドレポート」の編集長です。

    ―伊藤さんが所属している調査部は、どんなチームですか?

    チームメンバーは20代が中心となっていますが、年齢や経験にとらわれずフラットなチームづくりをしています。より良い未来をつくっていくためにどうしたら良いのかを常に全員で対話しています。

    ―仕事のやりがいを感じる時はどんな時ですか?

    自分の知らなかったことを知って、それがつながって線になったり面になったりしていく過程です。例えば、Web3のリサーチで得た情報が、フィンテック分野の調査を進めていく中でピタッとつながった時なんかはめちゃくちゃ楽しいです!
    ある領域についてゼロから情報をインプットしている段階では正直つまらないこともあるのですが、理解が深まって少しずつおもしろさがわかっていく過程が楽しいです。
    それと、チームメンバー全員で対話をしながらより良い仮説ができた時です。対話をしていくことで議論が深まっていき、ある瞬間に一つ上の段階に行く時は何にも代えがたいやりがいを感じます。

    調査のために読んだ本の山......。これはほんの一部です。

    きっかけは一人のお客さまへの後悔

    ―伊藤さんといえばロングヘアが非常に印象的ですが、へアドネーションのために髪を伸ばされているそうですね。本業・プライベート問わず社会課題に対して非常に関心が高く、ほかにもさまざまなアクションをされているとお聞きしましたが、特に関心のある分野は何でしょうか?

    社会課題全般に興味がありますが、特に関心が強いのはインクルージョン分野です。LGBTQ+や障がい者、貧困や将来世代など、いわゆる「社会的弱者」と呼ばれる人たちのインクルージョンの実現に寄与したいと考えています。

    ―インクルージョン分野に関心を持つきっかけがあったのでしょうか?

    入社してすぐ配属された紳士服売り場で、初めてオーダースーツの接客を担当したお客さまが、実はFtM*のトランスジェンダーの方だったということを後から知り、「自分に知識があれば、もっとできることがあったんじゃないか」と後悔をした経験がありました。その時に初めて、これまで自分が当たり前のように享受してきたサービスや過ごしている日常を送ることが難しい人がいるということに気づきました。そのことが自分にとっては気持ちの良いことではなく、ちょうど社内でもグループ公認プロジェクトの活動やプライベートブランドでのサイズ展開の拡大など、インクルージョンに対する取り組みが広がっていた時期とも重なり、より深く考えるようになりました。

    *FtM(エフティーエム) Female to Maleの略。
    心の性別が男性、身体の性別が女性として出生し、女性から男性へ性別移行を望む方を表す総称。男性から女性へ性別移行を望む方はMtF(エムティーエフ)と言う

    ーその課題を解決することを考えるうえで難しいと感じる点はどんなことですか?

    課題解決のカギは相手の立場に立つことだと思っているのですが、なかなか難しいというのが現実かなと思います。私自身本当の意味でその人と同じ立場になって同じ感情を持つことはできないと考えていますが、一方で相手の想いや言葉から想像することは可能だと思います。立場が違うからこそ多様な視点から課題に光を当てることができると信じています。

    私の原動力「人が楽しんでいることが私も楽しい」

    ―あなたが社会課題解決へアクションを起こす時の原動力はなんですか?また、その理由を教えてください。

    私は誰かが楽しんでいることが、自分にとっても楽しいと感じるので、その逆で誰かが悲しんでいることが悲しいと思うからだと思います。幼いころから人を楽しませるのが好き、人前で何かするのが好きだったので、それが起因しているのかなと思います。
    また、周りからも言われますが正義感が割と強い方なので、自分が納得できないことがあるととことん突き詰めて考えたいという性質は持っているなと思います。

    5月に福岡にてチームビルディング合宿を行いました。

    ―丸井グループの一員として叶えたいこと、やってみたいことを教えてください。 

    社内と社外の壁をもっと取っ払って考えられるような会社にしたいなと考えています。調査部長であるバリュークリエイトの佐藤さんも言っているのですが、「知識はシェアすることで価値が高まっていく」と感じているので、調査を通じて得た知識や情報を社内外問わずに共有し続けたいです。広く知識がシェアされることで価値が高まっていって、結果として丸井グループの企業価値も高まっていってほしいですし、社会全体がより良い方向に向かっていってほしいと考えています。お仕事的な面では今後情報発信として社内広報を社外にも見えるかたちでやってみたいです。社員一人ひとりにスポットライトを当てることでモチベーションを上げたり、インタビューを通じて社員の定性的な情報も含めた形のデータベースを構築し、誰もが誰かのロールモデルになれる環境をつくりたいです。丸井グループは異動が多いので、定型的なロールモデルが存在しないからこそ、自分に近い考え方を持っている人をいつでも探せるプラットフォームをつくりたいと考えています。   

    ―個人として叶えたい事、やってみたい事を教えてください。

    将来的には起業したいなと思っています。(やるならさっさとしなさいと言われそうですが......。)まだまだ「社会課題解決=意識高い系」という風潮があると思うので、そこを変えられるような事業をつくりたいです。というのも、私がヘアドネーションに向けて髪を伸ばしているのも、何かを買うときになるべく環境にやさしいものを選ぶのも、意識が高いからではなく、それが楽しいとかうれしいといったポジティブな感情になれるからです。社会課題を解決しなきゃいけないんだという使命感のようなガチガチの思考ではなく、柔軟な発想で楽しく取り組めるような仕組みをつくりたいです。結果としてサステナブルだったという体験を広げていけたらなと思います。
    起業と言っても、今はソーシャル・イントラプレナー(社会課題を解決する社内起業家)といった考え方もありますし、社会課題解決企業を宣言した丸井グループにいながらいろいろなことにチャレンジしていきたいと思います。

    • 【お仕事密着】役員の意思決定をサポートしている「調査部」のお仕事に密着!
    • 伊藤さんが所属する丸井グループ 調査部のお仕事を紹介しています。
    • https://youtu.be/kVKbIqe4ehk?si=pvcWPuaXvINqUvWS
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