ダイバーシティ&インクルージョン
2023.9.4

一人ひとりの個性が輝くワーキングインクルージョン

丸井グループでは、さまざまな働き方や価値観の多様性を受け入れ、性別や年代、障がいの有無などにかかわらず、すべてのひとが活躍できるワーキングインクルージョンの取り組みを進めています。 一人ひとりの個性が輝く職場づくりをめざす現場から、今回は丸井グループにおけるワーキングインクルージョンに迫ります。

目次

    丸井グループにおけるワーキングインクルージョン

    丸井グループでは、現在約120名の障がいのある方が働いています。
    身体障がい、知的障がい、そして精神障がいなどそれぞれ異なる特性を持ち、グループ内のさまざまな部署で活躍されています。おもな業務は、事務、物流関連業務に加え、清掃事業にも携わっていて、その職域も年々広がりをみせています。
    そんな中、丸井グループの社内表彰制度である「Breakthrough Award」を障がいのある社員2名が受賞しました。その取り組み内容と、受賞したお二人をご紹介します。

    Breakthrough Award」DX推進を受賞

    丸井グループにおける企業価値向上に著しく貢献した取り組みを表彰する「Breakthrough Award」。第4回となる今回は、14件58名のグループ社員が受賞しました。

    その中で、DX推進賞を受賞した二人のグループ社員に注目。この二人は、それぞれの特性や強みを活かして丸井グループ内のDX化を推進するため日々活躍しています。

    (左から)人事部 ワーキングインクルージョン担当 添田 健二さん、安部 文貴さん、プレゼンターの専務執行役員 CHRO 石井 友夫さん

    受賞ポイント

    これまで手作業でおこなっていた人事関連業務において、Excelのマクロやローコードを活用したアプリ開発によって業務を効率化。年間で約400時間の大幅な業務時間の削減に貢献したとして、2022年度の「Breakthrough Award」を受賞しました。

    安部さん、添田さんの受賞コメント
    まさか自分たちがこのような賞を受賞すると思っていなかったので、受賞の知らせを聞いた時はとても驚きました。普段自分たちがやっている仕事が、誰かの役に立っていると思うとうれしいです。

    安部さん、添田さんはお二人とも精神障がいがあるため、時として配慮が必要な時もあります。入社当時は決められたデータの入力・集計など、簡単な業務を中心に行っていました。しかし業務を進める中で必要性を感じ、入社後に自ら進んでデジタル分野を学び、MicrosoftのPower Platformを使ったアプリ開発研修、東大メタバース工学部のリスキリング講座への参加などを通してスキルを向上させ、飛躍的に成長をしてきました。

    デジタルスキルが特別高かったわけではない二人が、どうしてここまでの知識やスキルを身に付け、そしてその技術を組織の中で活かすことができたのでしょうか?そのヒントは彼らの強みであり特性に大きくかかわっています。

    それぞれの特性を活かして働ける組織とは?

    精神障がいのある方には、コミュニケーションが苦手だったり、こだわりが強く出てしまう場面があるなどそれぞれ異なる特性があります。
    その特性によって、他人に誤解されたり、失敗をくり返してしまうことがあり、本人だけでなくその方が働く職場の方にとっても課題となってしまうことがあります。
    一方で、その特性を活かして一つのことに集中する、極めるといった強みに変換できる場合もあります。

    安部さんと添田さんは自身の特性と向き合い最適な方法を試行錯誤する中で、チームのメンバーとお互いの苦手な部分をサポートし合うチームワークを育んできました。

    (左から)安部さん、添田さん、障がいのある社員をサポートするワーキングインクルージョン推進担当

    それぞれの「得意」と「不得意」を理解し尊重する

    普段の業務では、おもに人事部内の業務効率アップへ向け、安部さん、添田さんはこれまで手作業で行っていた事務作業のDX化を進めています。その際に、ポイントとなるのがそれぞれの「得意」と「不得意」の理解と尊重です。

    普段の業務の流れとしては、まず担当社員から依頼内容をヒアリング。その際に、実務のポイントを整理することが得意な添田さんが双方の要望などをすり合わせていきます。続いて高いデジタルスキルを持つ安部さんが要望をもとにマクロ構築、またはアプリを開発。
    その後、添田さんと安部さんで連携して作業フローを言語化してマニュアルを作成。依頼元である担当者へ説明後、場合によっては組んだマクロやアプリの修正を図ります。
    このように互いの特性や強みを活かすチームプレイによって、人事部の業務効率は大幅に改善され、企業価値向上に貢献しています。

    「Breakthrough Award」の賞状を手にする添田さんと安部さん

    デジタル分野を学ぶきっかけは?

    安部さん
    私が業務効率化を積極的に行うようになったのは、性格がめんどうくさがりで、どうしたら楽に仕事ができるかを考えていたからです。独学でマクロについて学ぶ中で、効率的なデータの管理方法などに気がつきました。その結果、現状の業務方法に不満を持ち提案・修正したのが始まりです。
    知れば知るほど、まだ知識も技量も足りていなことを実感しています。
    今後もDX研修や東大メタバース工学部の講座などに積極的に参加し、仕事がもっと楽にできるようにしていきたいです。

    添田さん
    ITスキルを高めようとする安部さんの姿勢が、良い刺激となり、丸井グループのシステム部門を担うエムアンドシーシステム主催のPowerPlatform研修への参加につながりました。文系出身の私にとっては、研修参加直後はわからないことが多く、アプリ完成までたどり着けるかとにかく不安でした。
    そんな中、安部さんと相談しながらお互いの得意なこと・苦手なことを理解し、協力して業務を進めたことで完成までたどり着くことができました。
    今後も成長につながることはためらわず、挑戦する姿勢をもって業務に取り組みたいです。

    丸井グループがめざすワーキングインクルージョン

    丸井グループ 人事部 ワーキングインクルージョン推進担当 課長 後藤 久美子さん

    丸井グループでは、性別・年代・障がいの有無にかかわらず、一人ひとりが自分の可能性にチャレンジし、活躍できる「ワーキングインクルージョン」を推進しています。今回ご紹介した安部さんと添田さんは、それぞれの特性を活かしながらデジタル分野においてすぐれた能力を発揮し、チームに新たな可能性をもたらしてくれました。
    いろいろなメンバーと仕事を進める過程で、それぞれの得意・不得意を理解・尊重し、補い合いながら課題を解決したり、価値を創出することは、簡単ではありません。安部さん添田さんをはじめ、かかわったメンバーが、相手の立場になって考え、対話を重ねて連携することで、今回のような大きな成果につながったと思います。
    今後は担当として、さまざまな特性を持ちながら働いている方の、賃金体系や人事制度の見直し、新たな採用ルートの開拓にも着手していく予定で、多彩な才能を持つメンバーがより活躍できる環境を整えていきたいと思っています。
    これらの取り組みやメンバーの活躍を社内外に発信していくことで、今まで自身の特性を理由に活躍の場が限られていた方の可能性が広がり、丸井グループがめざすインパクトのテーマのひとつである「一人ひとりの『しあわせ』を共に創る」の実現につながると考えています。

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