丸井グループでは、さまざまな企業・人と力を合わせてインパクトを生み出す取り組み「共創」に注力しています。共創を加速させるために多様な部署から集まった社員で構成される「共創チーム」を組成し、そのチーム数は19まで増え、店舗でのイベント開催やエポスカードとのコラボ、物流での協業など、常にさまざまな取り組みが行われています。「Partner's interview」では、そんな丸井グループの共創の最新事例や、担当者による想いをご紹介! 第7回は、サステナブルな社会の実現に向けて、ミドリムシとも呼ばれる微生物で、昆布などと同じ藻類のユーグレナなどを活用したヘルスケア事業やバイオ燃料「サステオ」の開発、製造、販売を始めとした事業を展開する株式会社ユーグレナさまとの共創についてお届けします。
<今回の対談パートナー> 左から ユーグレナ CEO室 川口 高志さん、 ユーグレナ共創チーム エポスカード 共創推進部 榊原 一美・エポスカード 提携事業部 大貫 麻衣 |
創業のきっかけ
代表取締役社長 出雲充氏が学生時代に訪れたバングラデシュで、栄養失調に苦しむ子どもたちを目の当たりにし、栄養問題を解決したいという決意から始まる。
サステナビリティが当たり前となる社会を実現するために、「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーに掲げ、ユーグレナなどを活用した食品、化粧品の製造販売やバイオ燃料「サステオ」の開発・製造・販売、未利用資源等を活用したサステナブルアグリテック領域などの事業を展開。
―ユーグレナさまの事業への想いを教えてください。
弊社の理念である「Sustainability First」という言葉もあるように、さまざまな社会課題がある中で、それをヘルスケア、バイオ燃料といった事業で解決に向けて取り組み、より良い社会を実現するということに対して強い想いを持って事業を展開しています。
―丸井グループとユーグレナさんとの出会いについて教えてください。
協業前から丸井グループさんとは交流を持たせていただいていまして、弊社の出雲をはじめとする役員と、御社の青井代表など経営陣同士、業種は全然違いますが、一緒の方向を向いているというシンパシーを感じていたと思います。
-これまで実施した店舗イベントなどのお取り組みをどう感じていますか?
私たちの事業と丸井グループさんの強みを活かして取り組めるところがすごくいいなと思っていて。マルイ店舗とは、「からだにユーグレナ」などのヘルスケア商品のイベントや、店舗で出る使用済み食用油をバイオ燃料の原料の一部としてリサイクルする取り組み、さらにムービング*さんには、「サステオ」をご利用いただいています。店舗イベントについては経験が少なく、少し二の足を踏んでいたところに背中を押していただきました。店舗イベントを実施してみると、実際にお客さまから「ユーグレナ知ってるよ」とか「バイオ燃料やってるよね」といった生の声も聞くことができ、認知を広げることができました。*丸井グループのグループ会社の一つ。物流事業を担っている。
一緒にマルイ店舗でユーグレナの入った飲料・サプリメント「からだにユーグレナ」の試飲イベントなどを開催させていただくと、ユーグレナの株主の方もたくさんいらっしゃる印象でした。お客さまから「私、ユーグレナの株持ってるんです!」と話しかけてくださった時には驚きました。
すごくユーグレナさんのことが好きなんだなっていうのが伝わってきますし、「株主」であり、ユーグレナの「ファン」なんだなと感じることができました!
―共創の取り組みの一つとして1月に「ユーグレナカード」を発行しましたが、なぜ発行することになったのでしょうか?
サステナブルな社会の実現に向けて、両社の強みや特長を活かして「日常的な行動をサステナブルにしていくために私たちにどんなことができるだろう」と共創チームの皆さまと話したことがきっかけでした。
そうですね。両社でつくりたい社会と、そのために両社だからこそできる取り組みは何かと考えた時、キーワードとして出たのが、「普段のお買物がサステナブルな行動につながるといいよね」でした。その後も何度も対話を重ねて、そうしたコンセプトの「ユーグレナカード」の発行が決まりました。
―ユーグレナカードへの入会や、ユーグレナカードでのお買物のご利用額0.1%分が寄付につながるとのことですが、寄付先をバングラデシュの子どもたちにユーグレナクッキーを届ける「GENKIプログラム」や学校の給食メニューへ石垣島ユーグレナを加える「子どもたちの健康促進活動」に決めたのはなぜでしょうか?
丸井グループさんでいうところの「将来世代」にあたりますが、「Sustainability First」を掲げる企業として、経営の意思決定に未来視点を反映させ、事業成長と社会課題解決を後押しするためにも「未来世代」との取り組みを行っています。創業のきっかけの地であるバングラデシュでユーグレナ入りクッキーを配ったり、石垣島で給食にユーグレナを入れたり、いろんな学校で出張授業させていただいていて。そういった未来世代にフォーカスしていくことが私たちの象徴的な活動かなと思っています。
―カードデビューまで大変だったことはありますか?
クレジットカードという初めてのチャレンジで知見がなかったため、丸井グループさんと打ち合わせをするたびに新しい発見ばかりでした。カードに込めたいコンセプトや券面のデザインの希望や考え方をお伝えし、それを一つずつ形にしていただく中で多くのサポートをしていただきました。
こちらこそ私たちだけでは出てこないような、たくさんのアイデアをいただきましたね!
このカードによって成し遂げたい想いやめざしているものを言ってくださるので、そのためにどう実現していくかをお話しでき、私たちにとっても、とても良い気づきになりました。
最初のころはコンセプトの話をずっとしていましたね。希望をお伝えしすぎてしまいました(笑)。「社会を良くする」というキーワードで発散的に進めていましたが、発散的すぎるがゆえに刺さりづらくなってしまい、最終的なコンセプトは、「活用度合いに比例して、社会問題の縮小に繋がる」という買い物×サステナビリティというユーグレナらしいコンセプトになりました。
1年くらいコンセプトの話をしましたね!
ただ、今回誕生したユーグレナカードは、スタート地点に立ったばかりかなと思っています。今回ユーグレナさんの想いを100%叶えられたか、というとそうではないと思っていて。どんどん進化させて、より良いものにしていけたらなと思っています。
―カードデザインですが、なぜ顕微鏡から見えるユーグレナのデザインなのでしょうか?
ユーグレナは肉眼ではなかなか見ることができないのですが、私たちが考える「Sustainability First」の象徴自体がユーグレナであって、しっかりとのぞいたらそこに存在しています。今回はクレジットカードということで、新しいサステナビリティな仕組みを持ったお買物というところにもしっかり着目していただきたいと思い、「顕微鏡から見えるユーグレナ」のデザインにしました。
―実際に協業を進めてみてどのように思っていますか?
私たちのやりたいことに対して「社内で何かできるか考えます」とすぐに実現に向けて行動していただけることにびっくりしていて。できる、できないはもちろん実務上ありますが、「これ本当に言っていいのかな?」と思うことも考えていただけるので、驚いていますし、本当に感謝しています。店舗イベントなど、これまであまり積極的にできていなかったことができるようになり、私たちの事業を成長させていくための取り組みの幅が広がっていると感じています。
私たちだけでは店舗やカードの取り組みをどうするか、ということに目がいきがちで、その先に何を提供したいのかまで考える必要があると、ユーグレナさまと話している中で気づきました。
ユーグレナさんが実現したいことを言ってくださることで新しいチャレンジをするきっかけになっていると感じています。
お互いに強みやリソースを補完し合っている感じですね!
まさにそうですね!
―今後二社で実現したいことはなんでしょうか?
サステナブルな社会の実現に、行動の幅を広げて近づきたいと思っています。今社内でも「こういうことを丸井グループさんと一緒にできないか」といった問い合わせがたくさん来ていて。いろんな領域で一緒に活動できればと思っています。
同じ目標を持って、両社の得意分野を活かしながら、1社ではできないことを一緒に実現していきたいです。
ユーグレナカードのことになりますが、カードをきっかけにお客さまの意識や行動が変わっていくツールとなるよう、中身を進化させて、いろんな形でサステナブルな社会をつくることに貢献していきたいですね。
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https://www.euglena.jp/times/archives/23831