丸井グループでは、さまざまな企業・人と力を合わせてインパクトを生み出す取り組み「共創」に注力しています。「共創チーム」と言われるチーム数やチームの人数も増え、店舗でのイベント開催やエポスカードとのコラボ、物流での協業など、常にさまざまな取り組みが行われています。 「Partner's interview」では、そんな丸井グループの共創の最新事例や、担当者による想いをご紹介します。第3回は、生産者と食べる人をつなぐオンラインサービス「ポケットマルシェ」を運営する株式会社雨風太陽さまとの共創についてお届けします。
雨風太陽さま、丸井グループの両担当者から、マルイ店舗でのポップアップイベントやコラボカード、今後めざしたい未来についてお話をうかがいました。
岩手出身の代表 高橋博之氏が東日本大震災をきっかけに創業。被災地支援として訪れた都市圏の人と地元の生産者、普段なら出会うことがなかった両者が直接かかわることで見えてきたさまざまな発見に着目。
地方が持続可能な活動をしていくことができるヒントととらえ、生産物と生産者にまつわるストーリーをセットにしてお届けする、サブスクリプション型サービス「東北食べる通信」を開始。創刊後、そのコンセプトは全国に広がる。
その後、課題解決のスピードをあげるために、生産者と消費者の想いをつなぐオンラインサービス「ポケットマルシェ」をスタート。
画像左:株式会社雨風太陽 取締役 C2Cコマース部門長 権藤 裕樹さん
画像右:株式会社エポスカード フィンテック事業本部 ポケットマルシェ共創チーム担当 鈴木 翔
--丸井グループが雨風太陽さまとの共創をスタートさせたのは、どんな理由があったのでしょうか?
雨風太陽さまの「想い・ストーリーをつなぐビジネスモデル」に共感したことが共創の取り組みきっかけの大きな理由のひとつです。
2020年の夏に出資いただいてから、マルイのリアル店舗を活用した取り組みを皮切りに、いろいろな可能性を模索して今までやってきましたが、代表の高橋は「青井さんと社会に対する考えや"想い"が共鳴し合ったことがうれしかった」と今でもあちこちで話しています。
リアル店舗での取り組みをやってみて、実際いかがでしたか?
普段、オンライン上で生産者さまとお客さまがつながっているところは常に見てきましたが、やはり直接のやり取りを目の前で感じることで、「こんな喜んでいただけているんだな」「お役に立てているんだな」と実感することができ、我々スタッフにとっても貴重な体験になっています。リアル店舗での経験やリソースが少ないので、マルイのスタッフの皆さんのサポートも心強かったですね。イベントの運営だけでなく、接客においてもそうで、貴重なお客さまとの接点であるイベント時に、「ポケットマルシェ」や「ポケマルエポスカード」を知ってもらうためのサポートをしていただきました。
お役に立ててうれしいです!
「ポケマルエポスカード」はどんなきっかけから生まれたのでしょうか?
共創の取り組みがスタートし、店舗でのイベントを中心に取り組みを進めてきた一方、次のステップとして「フィンテックの分野でも共創を拡げられないか?」と考えていました。ちょうどそのころ、「ポケットマルシェ」から「雨風太陽」に社名を変更され、全国各地の生産者を起点に「食」以外にも事業領域を拡大する時期と重なったので、当社としても何か新しい取り組みができるのではないかと考えたのが最初です。
「ポケマルエポスカード」は、カード利用額の1%が「エール」という形で生産者支援に活用されるのですが、世の中でも非常に珍しく、おもしろい取り組みになっていると思います。
この企画を進めるにあたって、提携カードを通じて実現したいことやコンセプトのすり合わせにはしっかりと時間をかけました。結果として、それがあったからこそ両者共通の想いを込めた提携カードになったかなと思っています。
一方的な支援ではなく生産者と消費者が共に助け合う関係を体現するにはどういうカードが良いのか、それを決めるのに何度も行ったり来たりをくり返しましたね。
まさにそうでしたね。丸井さんとはそのあたりの価値観が近く、同じ目線でやれたことは良かったなと思います。とはいえ、具体的にはどうしていくのかというところで、特に運用を決めていく段階は苦労しました。
最終的には困っている生産者への応援消費の促進など、国の保証制度や収入保険とは違い、「生産者と消費者をつなぐ」ことに趣旨をおいた応援活動に役立てるスキームにしました。
直近では、飼材価格高騰の影響で困っている乳製品の生産者の方のため、支援金を利用して、応援消費につなげる取り組みを進めています。
他にも、生産者の方が真心を込めて育てた作物が、自然災害で被害を受けると味や品質に問題がなくても出荷できず、廃棄せざるをえなくなってしまう事象も起きています。そのような部分に対しても、私たちの共創を通して生産者応援につなげていきたいと思っています。また、応援をきっかけに生産者と消費者が継続的な関係性になっていけるとさらにうれしいです。。
丸井グループとの共創チームのメンバーとは、会社の壁を越えて一つのチームとして一緒に考えるといったところで、「人」としての面でも安心感があります。メンバーの入れ替えはありますが、腰を据えてチームを組んでもらえている感じがしますね。
雨風太陽の皆さんと共創を進めているうえで感じるのは、都市と地方の分断により生じるさまざまな社会課題を自分事としてとらえ、何ができるのか真剣に追求している姿にはいつも刺激をもらっています。そういった姿に私自身も良い影響を受けていますね。そういった方々と共に取り組んでいけることは、私自身も貴重な体験をさせていただいていると感じています。
私たちは「都市と地方をかきまぜる」というミッションのもと活動していますが、地方における人材不足、産業の衰退など社会課題はより一層深刻になっています。それを我々のサービスを通して都市と地方をつなぐことで、持続可能な社会をスピード感をもってつくっていけたらと思っています。そういった意味でも、「ポケマルエポスカード」は身近で持続可能な社会貢献のひとつとして広がっていってほしいですね。
そうですね。「カードを使うこと=応援になる」ポケマルエポスカードにまだまだ可能性があると思っています。生産者と消費者の想いをつなぐカードとして、雨風太陽さまと一緒に進化させていきたいですね。