2019年度、2020年度、2021年度入社の若手社員たちは、丸井グループの何に共感して入社を決めたのか。そして今、どんな未来を想い描いているのか。丸井グループの企業理念やビジョン、サステナビリティへの取り組み、強みなど、元採用担当の先輩社員・伊藤 正泰が、4人の若手社員の熱い胸の内を聞き出しました。
伊藤:就職活動の経験談や丸井グループに入社して気づいたこと、これからチャレンジしたいことなど、皆さんの率直なお気持ちを聞きたいと思っています。まずは、自己紹介からお願いします。
酒井:私は、商業・集客施設の空間プロデュース事業などを展開するエイムクリエイツのプランニング部に所属しています。大学での専攻は建築学で、大学院では都市の環境管理について、SDGsやエネルギー、災害対策などを研究しました。映画が好きで、学生時代のアルバイト先は映画館でした。
伊藤:建築学部って、忙しそうなイメージがありますよね。
酒井:そうですね。私は課題提出の締め切りまでのんびりしていて、直前になって大慌てで仕上げることが多かったです。社会人になってもスケジュール管理は、自分の最重要課題だと思っています。
大原:私は、有楽町マルイのレディスファッショングッズ(雑貨)を担当しています。中高生のころからジェンダーに興味があり、ジェンダー研究が盛んな女子大学で女性のキャリアや家事労働について学びました。女性の生きづらさみたいなものを、ジェンダー研究を通して追究したいと考えていました。また、和服が大好きだったので着物サークルの代表も務めました。着る機会が少なくなった着物の良さを、どうすれば若い人たちに伝えられるのか、仲間と一緒に発信方法を考えていました。とてもやりがいを感じて楽しかったです。
伊藤:発信方法を試行錯誤した経験は、これからの仕事にも活かせそうですね。
神薗:私は国分寺マルイで働いています。大学では環境開発学を専攻し、SDGsや都市開発と環境問題について学びました。また建築事務所でのアルバイトでは、空き地や公共空間の活性化に取り組みました。就職活動後は、それまでに学んだことを活かして、豪雨により被災した温泉地の復興ボランティアに励みました。
伊藤:アルバイトやボランティアを通じて、人のつながりができたのですね。すばらしい経験ですね。
神薗:そうですね。アルバイトの一環で、空き地を販売スペースとして活用すると、今まで人通りのなかった場所にお客さまの賑わいが生まれました。これをきっかけに、お店と人のつながりについて考えるようになりました。
山田:私は北千住マルイで働いています。4歳まで台湾に住んでいて、小中高はインターナショナルスクールに通い、大学は英語で授業を受けていました。大学時代には、1年間オランダへ留学しました。印象的だったのは、オランダの学生たちのサステナビリティに対する意識が高いことです。オランダは国土の約4分の1が海抜マイナスの場所なので、気候変動による水位上昇が直接影響してしまいます。サステナビリティへの関心が高くなるのは必然ですよね。留学生活が、あらためてサステナビリティを意識するきっかけになりました。
伊藤:皆さんのお話それぞれに個性があって、非常に興味深いです。そんなそれぞれ違う背景を持った皆さんが、今は丸井グループという同じ場所で働いています。就職活動の時は、どのような基準で企業を選びましたか。
大原:私は、小学生のころからファッションビルなどの商業施設が好きでした。なので、丸井グループに興味を持ったのも、小売事業が入口でした。小学生のころはイケてるファッションとかキラキラしているものにあこがれていたのですが、大学生になってからは、流行だけを追い求めるような大量生産・大量消費に疑問を持ち始めました。そこで、大好きなファッションを発信しつつ、生活者のサステナブルで豊かな暮らしに貢献できる企業をリサーチしてみたら、丸井グループがぴったり合致しました。
伊藤:小売事業が入口だけれど、最終的にその事業を通して社会にどんなインパクトを与えているかに注目されたのですね。
大原:そうですね。小売事業を就職活動の軸にしなかった方のお話も聞いてみたいです。
神薗:大学時代住んでいた街が、少子高齢化の影響を強く受け、観光地にもかかわらずシャッター街が生まれていました。そのため空き家問題に興味を持ち、最初は不動産業界を見ていました。でも、先ほどお話ししたアルバイトの経験から、価値の交換が起こるお店の存在が、人のつながる場所を提供していると思い、小売業界をリサーチするようになりました。特に、愛着心を持てる街づくりこそが地方創生や空き家問題の解決に重要だと考えて、店舗を持ち社会課題の解決に取り組む、丸井グループに就職を決めました。
山田:私は大原さんとも神薗さんとも違って、小売業をまったく見ていなかったです。海外の文化に触れる機会が多かった影響で、自分は日本人でありながら、どこか日本人ではない感覚がずっとありました。そのため、日本社会を客観的に見ていて、不満がたくさんありました。だからと言って、外国に行くことはせず、日本が好きだからこそ、自分の力で日本社会に何か良い影響を与えたいという強い想いがありました。マスコミ関係、総合商社などさまざまな業界を見た中で、参加した合同説明会に、偶然丸井グループのブースがありました。その時に「あ、この企業知っている」という軽い気持ちで応募したのがきっかけです。でも、丸井グループを知れば知るほど、社会課題を事業で解決するビジネスモデルにますます共感していきました。
伊藤:それぞれ違う業種を志望されていたようですが、サステナビリティに興味があった点は共通していますね。
酒井:これまでお話を聞いて、皆さんやりたいことが明確で、すごいなと思いました。私は何かモノをつくる仕事がしたいというざっくりした理由で、鉄道会社の建築職や建築士事務所などを調べました。でも、実際に話を聞いてみても、いまひとつピンと来ませんでした。そこで、業界の幅を広げてみようと思った時に、丸井グループのインターン募集情報を偶然見つけました。もともとお買物が好きでしたし、参加できる日程だったので申し込んでみました。参加したインターンの中で、エイムクリエイツというグループ会社の存在を知り、自分のやりたいことに近いと感じました。また、社員の方の雰囲気も親しみやすくて、自分に合っているなと思いましたね。丸井グループでは、多種多様な業種を経験できる風土があるので、また違ったやりたいことが見つかるかもしれないとも思っています。
伊藤:就職活動の軸について皆さんからさまざまなお話を聞くことができました。就職活動中の方々は、皆さんのお話にきっと共感できるのではないかと思います。
伊藤:実際に丸井グループで働いてみて、強みは何だと感じていますか。
大原:同じビジョン(丸井グループ ビジョン2050 ビジネスを通じてあらゆる二項対立を乗り越える世界を創る)を共有する仲間がいるところが魅力だと思います。二項対立を乗り越えて、インクルーシブな世界を創ることは、解決しなければならない社会課題が多すぎてとても難しいと思います。1年働いてみて、あらためてその厳しい現実を痛感しました。でも、同期や先輩社員たちと「私たちがめざすのはそこだよね」と、ビジョンの話をよくします。ビジョンによって、自分たちにとってのゴールまでの道筋が明確で迷うことがないので、すごくモチベートされています。
神薗:事業を進めるうえでのスピード感や柔軟さが強みだと感じます。それは、全社員が共通のビジョンを共有しているからこそ生まれるものだと思います。例えば、コロナ禍でのテナント家賃全額免除や株主優待券の期間延長は、とても速い意思決定とアクションだと思いました。丸井グループだったら、時代の流れに合わせて、柔軟に挑戦を続けていけるだろうという期待感があります。また、幅広い事業でさまざまな社会課題に取り組んでいることから、"本気"を感じます。
酒井:私は、同じビジョンを持っているからこそ、多様な人材の強みが活かされていると思いました。業界の当たり前にとらわれない、時代を先駆けるアイデアは、さまざまな個性や資質を持った人がいるからこそ生まれてくると思います。でも、同じ方向を向いていないと、それぞれの個性がうまく発揮されずにバラバラになってしまう。だからこそ、ビジョンが重要なのだと感じます。
伊藤:確かにそうですね。丸井グループはいろいろな事業を展開していますが、めざすところは全員同じですよね。
酒井:それはすごく実感しています。就職活動の時を思い出しても、丸井グループの説明会は他社と比べて、ビジョンやミッション(すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会を共に創る)の登場回数が多いと思っていました。ミッションが「めざすべき場所」だとしたら、ビジョンは「それを実現するための道しるべ」なのだという印象を受けたことを覚えています。
山田:私は、同じビジョンを共有する人たちが、共に何かを創り上げていく共創の理念が魅力だと思います。採用選考の面接の時に「店舗でのイベントを増やしていくと、イベント業界やゲーム業界に対抗することになるのではないですか」と面接官に質問したら、対抗する「競争」ではなく共にビジネスを創出する「共創」の可能性が考えられないかと言われました。この答えを聞いた時は「はっ!」としました。社員一人ひとりが共創理念に基づいて企業の成長を考えているから、ほかの企業では思いつかないことも実現可能なのだと思います。
伊藤:確かに、丸井グループでは競合他社との差別化よりも、いかにパートナーとして共創できるかについて話すことが多いですね。
山田:そうなんです。誰かと競うのではなくて、誰かと共に創ることができるのが、丸井グループの確固たる強みだと思います。丸井グループは、一分野だけではなく、多様な分野に共創の可能性を持っていますよね。だからこそ、線が面になって広がり、共創の輪がつながっていくのだと感じています。
伊藤:そうですね。丸井グループは、人と人をつなぐことが上手だと思います。丸井グループだけでしあわせな社会を創るのではなく、多くの仲間と共に創っていくことを重要視しています。
伊藤:皆さんがこれから丸井グループで挑戦したいことを教えてください。
神薗:先ほど共創のお話がありましたが、私は地域との共創にチャレンジしてみたいです。大きな商業施設も、人がつながる場所として、街づくりの拠点になれるようなお店づくりをしたいです。現在、丸井グループが進めている"売らない店づくり"は、まさに私がめざしていることだと思います。「体験型」を小売業でどこまで取り入れられるのか、追求してみたいです。
山田:私は、外国の方々をどんどんインクルードしていきたいです。日本人が差別的だとは思いませんが、どこか無意識的に外国の方々をインクルードしきれていないと感じています。ミッションの通り、すべての方々の包括をめざして手を差し伸べていきたいですね。
伊藤:私も同感です。インクルーシブな社会を実現するために、丸井グループが改善すべきところはまだまだ多くあると思います。山田さんは、どうやってインクルードしていきたいのですか。
山田:現在、店舗で働いていますが、エポスカードセンターでの外国人のお客さまへの対応で困ることが多いです。日本語が話せない、もしくは書けないとカードの申込みが難しいですよね。でも、その理由だけで対応が難しいというのは納得がいかないなと日々思っています。少なくとも英語対応は実現不可能なことではないと思います。
伊藤:そうですね。身近なところからできる工夫はありそうです。簡単ではないかもしれませんが、取り組んでみると意外とシンプルな課題かもしれないですね。
大原:私は山田さんと似ていて、インクルーシブな店づくりに貢献したいです。今もまだ、限られたターゲットに向けて「これがオシャレだ」と固定観念を発信している商業施設が多いように思います。私は、すべての人にいろいろな選択肢を提供することにより、それぞれの心にフィットするモノやコトが見つかるような店づくりをしてみたいです。
伊藤:ニッチな層に向けたブランドも発信していくのでしょうか。
大原:そうですね。今はニッチに向けたブランドがたくさん出てきています。そのようなブランドを応援し、発信できるメディアとしてのマルイを確立させたいですね。
伊藤:大学時代に着物の情報発信をしていた大原さんだからこそ、その実現にとても期待できますね。
酒井:私も神薗さんや大原さんと同じように、場づくりをしたいです。現在所属しているプランニング部では、場としての商業施設の活用方法を考えることが多いので、まずは、自分のアイデアで案件を実現させてみたいですね。
伊藤:神薗さんも大原さんも、オンラインよりもリアルの場づくりについてお話ししていましたが、酒井さんはどうでしょうか。コロナ禍でオンラインの需要が一層高まりましたが。
酒井:オンラインライブ配信でも感動しますが、やはりリアルにはかなわないなと感じています。現時点で、リアルの場以上に魅力的だと感じるオンラインの場に出会えていないので、リアルの場づくりをしていきたいです。リアルの場が逆境にあるからこそ、いかに問題をクリアして、リアルが持つ心を動かす力を届けられるのかについて考えていきたいです。
山田:そうですね。これからリアルに求められるのは、「会いたい」とか「行きたい」という感情なのではないかと思います。「好きだからリアルでこれをしたい」という感情が、これまで以上に人の行動の軸になっていきそうです。そんな時に、丸井グループが場を提供できると、より多くの人をインクルードしていける気がします。
酒井:この1~2年で、「世の中何が起こるかわからない」ということを誰もが実感していると思います。現在の丸井グループは、フィンテック事業が主力ですが、この先、私たちが今話しているような事業が主力になる可能性だってあると思っています。
大原:確かにそう思います。わからないことをそのまま遠ざけるのではなくて、向き合い、知ることで、きっと新しい挑戦への道が拓かれていきます。丸井グループには、本気で向き合い、取り組む文化があります。だからこそ、私たちも夢物語ではなく起こり得る未来として、自分たちの希望を語り合えるのだと思っています。
* 所属部署は2021年7月当時
* 撮影時のみマスクを外しています