対話・対談
2020.10.20

ビーガン王子、再降臨!ビーガンというライフスタイルの可能性とは

  • 上薗 寛子
    株式会社エポスカード
    草加コールセンター(2004年入社)
  • アレックス・デレチ
    モデル タレント 通称ビーガン王子
  • 石井 理絵
    新宿マルイ 本館 バッグ売場(2019年入社)
    ※2020年8月当時

動物由来のものを食べない、使わない生き方、ビーガン。近年注目度が高まっているサステナブルなライフスタイルです。「ビーガンの実践は難しくない」と、ビーガン王子こと、アレックス・デレチさんは言います。6月にご登場いただいたビーガン王子を再び招き、今回は丸井グループ社員2人と、その可能性を語り合いました。

目次
    当日の様子を一部動画でご覧いただけます。

    ビーガンへの入口は人それぞれ

    石井:アレックスさんは今、ビーガン王子として日本で活動されていますが、ご家族の方もビーガンなのですか。

    アレックス:もともとは、家族全員がビーガンではありませんでした。僕自身は、高校生のころ、環境や動物保護に貢献したいと思っていて、それで17歳からビーガンになりました。でも最近になって、父と弟がビーガンになり、妹と妹の彼氏はベジタリアンです。兄と母はどちらでもないですが、冷蔵庫に入っているものは、ほぼビーガン食。でもビーガン食をよく知らない人が冷蔵庫の中をのぞいても、それがビーガン食だとは全然わからないと思います。「あれ?肉もチーズも入っているじゃないか」と。でも実は全部、植物由来の材料でできている肉だったりチーズだったりアイスだったり。なので、ビーガン以前の食生活と、味覚のうえではあまり変わらないです。

    上薗:お母さまがビーガン料理を勉強されて、お父さまにつくってあげたりもされるんですか。

    アレックス:たぶん父は、自分で料理をしているんじゃないかな。父がビーガンになったきっかけはトライアスロンなんです。しかも、一番長い距離を競うアイアンマンレースというのを、50歳になって急にやりだしたんです(笑)。レースに耐えられる肉体をつくらなければいけなくなって、栄養的には何を食べれば良いのか、父は自分で調べたんです。そうしたら野菜中心とか、肉は食べてもチキンをちょっとだけとか...。そこで、「これってほぼビーガンじゃないか!」と、父は気づいたんです。

    石井:上薗さんがビーガンを意識するきっかけは何だったんですか。

    上薗:私には10歳になる子どもがいるのですが、小学校から持って帰ってきた宿題の中にあった「エコライフ」に家族全員で回答したのがきっかけでした。これは、各設問に「できた、できない」と回答して点数化するもので、その設問の一つに「新鮮な野菜、旬の野菜を食べる」というのがありました。私は、「あれ、これってエコに関係あるのかな?」と思ってしまったんです。「電気をこまめに消す」とか「水は出しっぱなしにしない」だったらわかるんですけど。子どもにも「なんでエコなの?」と聞かれた時に、「環境にいいからだよ」と終わらせてしまったのですが、やっぱり気になって。これは調べないといけないなと、子どもと一緒に勉強していくうちに、問題意識がなかったことが私の問題だったと気づかされました(笑)。

    石井:子どもたちだけでなく、親世代も気づけるというのがすごく新しいですね。私が小学生の時は、そんな課題意識はなかったし...。アレックスさんのお父さまや上薗さんのように、ビーガンを始めるきっかけってたくさんあるんですね。私はお肉も大好きなんですが、姉が1年くらい前にビーガンになったんです。姉はアニマルウェルフェアやアニマルライツがきっかけでした。当時の私はビーガンについて全然知らなかったんですが、ある日姉と一緒にビーガン料理のお店に行ったんです。その時に、ビーガンバーガーというものを食べて、「何だ、これは!」と思って。とってもおいしいし、言われなきゃわからないと驚きました。プリンも「卵を使わずにこんなのができるの?」と。だから単純に「おいしいから」というだけでも、ビーガンを選択する理由としてはありだなと思いました。

    アレックス:本当に、きっかけは人それぞれですね。

    石井:丸井グループの「この指とーまれ!」というコミュニティサイトに、SDGsをテーマにした動画を社員が投稿するコンテンツ「指チューバーが行く!!」が新たに始まりました。YouTuberならぬ、「指チューバー」です(笑)。その指チューバーの募集があったので、私も地球環境にも良いビーガン食の魅力を発信したくて立候補しました。結果、私が初代指チューバーに選ばれたんです!指チューバーとして、ビーガンについて情報発信することができました。

    アレックス:それはすばらしいですね。まだビーガンについて知らない人や誤解している人も多いので、とても有意義だと思います。

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    将来世代に広がるビーガン的選択

    石井:ビーガンって食事にフォーカスされがちですが、着る服や愛用するモノも動物由来のものは使わないというライフスタイルのことですよね。アレックスさんがされている食事以外の取り組みはありますか。

    アレックス:例えばファッションだと、皮のコートや靴やベルトなど、動物由来のものって多いですよね。ウールとかシルクも動物由来です。最近はサステナブルビーガンファッションっていうんですが、動物由来の素材を使わないファッションがとても人気になってきているんです。私が今日身につけているものだと、この鞄。実はコルクからつくられています。

    石井:コルク?ワインのコルクですか。

    アレックス:はい、ベルトも革に見えますが、コルクでできています。

    上薗:コルクとは全然わからないですけど、おしゃれですね。

    アレックス:こんなふうに、地球環境に優しい材料を使って、服や鞄、アクセサリーなどをつくると、おしゃれを楽しみながら地球環境に貢献できるので一石二鳥だと思います。

    上薗:ファッションの話だと、私は毛皮がすごく流行った世代で、毛皮の種類もキツネからタヌキからワニまで、一通り集めていた過去があります。もっと早く気づけば良かった、すごくかわいそうなことをしてしまったと強く後悔しています。

    石井:今の20代前後の人たちって、実は気づかないところでビーガンのものを使っているんです。例えば、私の場合でいうとコスメです。最近では、商品開発の過程で動物実験を行っていない化粧品を使っていると、「ちょっとおしゃれだよね」という雰囲気になりつつあると思います。

    アレックス:本当にそうですね。「おしゃれ」であることに加えて、クルエルティフリー*は環境への負担が少ない商品であることを表しているので、安心して購入することができます。

    * 開発や製造の段階で製品、原料に対して動物実験が行われていないこと。

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    ダイバーシティなライフスタイル

    石井:7月からレジ袋の有料化が始まりましたが、それをきっかけに環境に対して意識する人が多くなった印象があります。そのころからビーガン食をスーパーでもけっこう見かけるようになりました。なので、「この指とーまれ!」サイトは、指チューバーのコンテンツも含めて、いろいろな人を巻き込んで発信していく場になればいいなと思っています。

    アレックス:石井さんや上薗さんのように、ビーガンに興味を持っている方が丸井グループの社員にも多いと思いますが、社内にビーガンを取り入れる予定はありますか。

    石井:ビジネスとしても企画していますが、個人的には社員レストランでビーガンメニューを導入したいと思っています。私みたいなお肉が大好きな人でも1日に1回、あるいは1週間に1回、ビーガン食を取り入れるだけで地球環境の保護に貢献できます。これを丸井グループ全社員で行えば、効果がもっともっと大きくなりますよね。

    アレックス:ビーガンを実践する場合、「ビーガンかビーガンじゃないか」の二者択一をしなければいけないという先入観があります。だけど実は石井さんがおっしゃる通り、ビーガンの食事を増やしたり、ビーガンデーをつくってみたり。自分に合ったビーガンを取り入れられたら、それで十分だと思いますね。「仕事中はビーガンじゃないけど、自宅では完全にビーガン」という方も意外と多いですよ。

    上薗:ビーガン食は野菜も取れますし、お肉は代替肉で満足できますし、健康にもいい。これだけ楽しんで環境にも貢献できることって、ほかにはないと思います。私の父が心臓を悪くして入院し、退院後の食事がかなり制限されたんです。塩分はもちろん、お肉もあまり良くないということで。そこで代替肉を使った料理を食べてもらったところ、まったく気づきませんでした。私の子どもは卵アレルギーがあるので、マヨネーズが食べられないのですが、ビーガンマヨネーズをつくると、おいしいと喜んで食べてくれます。

    アレックス:本当にそうですね。ビーガンだったら、病気療養中の方でもアレルギー体質の方でも、食にタブーのあるイスラム教徒やヒンドゥー教徒の方でも皆一緒においしく食事ができます。どんな人とでも一緒にテーブルを囲めるというのも、ビーガン食の好きなところです。

    石井:ビーガン食は国境関係なくいろいろな人が食べることを通じて友だちになれるような、ダイバーシティなライフスタイルですね。

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    対談日:2020年8月11日

    アレックス・デレチ

    モデル タレント1996年生まれ、父親がアメリカ人で母親がフランス人のマルチカルチュラル(多文化的)なバックグラウンドを持ち、5カ国語(英語、フランス語、スペイン語、日本語、ドイツ語)を話すマルチリンガル。17歳からビーガンを始める。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)を2017年卒業後、ビーガンを広げる活動をするため来日。モデル、タレントとして活動しながら、「ビーガン王子」としてビーガンの商品、お店、ライフスタイルなどの情報をSNSで発信。2019年に「オーシャン・アンバサダー」に就任。2020年よりビーガン業界での人脈を活かし、ビーガンのコンサルティング事業を本格的にスタート。ビーガンインフルエンサーと外国人インフルエンサーをそれぞれ100名以上抱え、PRやビーガンに関するコンサルティング業務、インフルエンサーたちとのコラボ商品企画・開発などがおもな事業内容。

    Instagram - https://www.instagram.com/alex_derycz/

    Twitter - https://twitter.com/Alex_Derycz

    Website - https://www.alexderycz.com/

    上薗 寛子
    株式会社エポスカード 草加コールセンター(2004年入社)
    石井 理絵

    新宿マルイ本館 バッグ売場(2019年入社)
    ※2020年8月当時

    「えりぽん」こと石井さんの「指チューバーが行く!!」動画はこちらからご覧いただけます。

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