2026年に国内初のサステブルな木造商業施設として生まれ変わる渋谷マルイ。 リニューアルオープンへ向けて動き出した渋谷マルイの様子をお伝えする連載「渋谷マルイ開店準備室」では、建設中の建物の様子や、白熱する会議室、オープンに向けて奔走する社員と現場の今をご紹介しています。
2024年2月。東京都心で10センチの積雪を観測した翌日、渋谷マルイの外装に使われる木材の検討 が行われるということで、我々取材班は現場へ向かいました。
この日の現場は渋谷モディの屋上。みぞれ交じりの雨が降る中、サンプルとなる外装用の木材を前に、丸井社長の青野さんをはじめ、Foster+Partnersさまや三菱地所設計さまなどイギリス、アメリカ、香港から渋谷にかかわる関係者が来日しさまざまな検討が行われました。
大雪の翌日、凍えるほどの寒さの中行われた検討会
デザインを検討するにあたって使用された木材サンプルは、昨年の夏に渋谷モディ屋上に設置され、雨風や太陽光による経年変化の様子などを見ていました。
(1枚目)2023年8月、(2枚目)2024年2月に撮影
設計デサインを担当するFoster+Partners さまや三菱地所設計さまから、外装に使用する候補に挙げられた3種について説明がありました。
同じ品種の木を使用していても、その加工方法によって見た目だけでなく経年での変化はさまざま。完成時、3年後、10年後と、どのような変化があるかについてシミュレーションした画像も交えながらイメージを膨らませました。
加工による違いについて細かく説明を受けました
この日の議論の焦点は、木材ならではの変化について。木材は、当然のことながら時間の経過とともに色や風合いを変えていきます。また、渋谷マルイは外装に木材を使用するため、太陽光に含まれる紫外線や雨風の影響を受け、内装に使用する木材よりも変化が速くなります。
木材は、時の流れとともに味わいを増していきます。
渋谷の街のど真ん中で、文化や歴史とともに積み重ねた自然の変化を、お客さまがどのように受け入れ、時代により変わるその風合いの違いを楽しんでいただけるのか。それぞれの考えをすり合わせる作業をサンプルをもとに進めます。
対話が盛り上がるにつれどんどんお互いの距離感も近くなる関係者たち
国や地域、人それぞれでも建築物に対する価値観が大きく異なる部分もあって、すり合わせるのが非常に難しい!
世界中の人々が集まる渋谷に国内初の木造使用率6割を超える中高層木造商業施設として誕生し、50年後も美しく維持されている渋谷マルイをめざして寒さも時間も忘れて話し合う一同。みぞれ交じりの雨が降っていた現場も、気づけば青空が広がっていました。
実際に触って質感なども確かめます
このデザイン検討件について難しいのは、外装の全面に木を使用している事例少ないことです。そもそも中高層の木造商業施設は渋谷マルイがなんと世界初 。5年後、10年後、建物がどのように変化するのか、どうすれば美観を維持できるのかプロジェクトメンバーも想像することが難しいのです。
サンプルの木材、シミュレーションした画像などを前に話し合うこと数時間 。すでに予定時間を大幅に超えているにもかかわらず、
「実際の建物を見る方が早い!!」
と、大型の商業施設ではないものの、参考となる木造物件の視察に嵐のようにタクシーに乗り込む関係者たち...。
(編集部のホンネ)
あれえぇぇぇえ?皆すごい速さで行っちゃったけど、内装・インテリアの検討 まで今日やるんじゃなかったっけ??汗
関係者それぞれのこだわりが炸裂した今回の検討会ですが、マルイ、設計事務所、施工会社の熱い想いが詰まった渋谷マルイに期待が高まります!!どうやら夏にまた同じように検討会をやるそうなので、また皆さんにお伝えできるように取材していきたいと思います!お楽しみにー!
「世界初」だから難易度が高い…
— 丸井グループ │ この指とーまれ! (@maruigroup) April 11, 2024
2026年にサステブルな木造商業施設として生まれ変わる渋谷マルイ
2度目の取材となる今回は「木材の検討」
5年後、10年後、建物がどのように変化するのか…。
想像が難しいからこそ関係者それぞれのこだわりが炸裂しました!https://t.co/9Dmr1MAIDU pic.twitter.com/8OF6kfzHxU