1月29日(金)、国際基督教大学の授業に、丸井グループ サステナビリティ部の社員がオンラインで参加し、企業のサステナビリティの取り組みやESGについてお話しさせていただきました。「企業がサステナブルな消費を促進するためには」をテーマにグループワークをしていただくなど、将来世代である皆さんとの貴重な対話の機会となりました。今回は、質疑応答やグループワークなど、対話の様子を中心にお伝えします!
企業のESGやSDGsなどのさまざまな取り組みについて学ぶ授業「企業金融特別講義II」で、丸井グループ サステナビリティ部社員が、世の中や丸井グループのサステナビリティに関する取り組みについてお話しさせていただきました。
*丸井グループのサステナビリティへの取り組みについてお伝えしているこちらのゆびNewsもぜひご覧ください。
・投資家さま向け共創サステナビリティ見学会を開催しました!
・ペットボトルごみの削減をめざすサービス「Q-SUI」を体験してきました!
・再生可能エネルギー100%で暮らす「みんなで再エネ」プロジェクト
――本業である小売・フィンテックの事業と関係がなさそうなサステナビリティ分野を推し進めることで、経営への弊害はないのですか?
サステナビリティと一見関係がなさそうに見える分野でも、ビジネス・利益と重なり合う事業や取り組みは実はたくさんあります。若者を中心としたすべての人のお金の不安を解消するために設立したtsumiki証券もその一例です。
また、「環境破壊」や「SDGs」などの社会課題に関する言葉を、皆さんのような今の若い世代の方は小さいころから耳にしていますよね。2024年にはミレニアル・Z世代が労働人口の半数を超えると言われています。したがって、今から積極的に取り組み、今後さらに社会課題に対するお客さまのニーズが高まった時に対応できることが大切だと思っています!
また、丸井グループでは、「株価がEPSをどれだけ上回ったか=ESGプレミアム」という指標を設けています。これによると、ESGの取り組みが加速し始めた2015年3月期以降、ESGプレミアムが拡大しています。これは、ESGが企業価値として評価されるようになったからだと考えています。
――ごみの分別など、社会課題の観点から企業に改善してほしいことがある場合、消費者としてどのような行動を取れば良いですか?
社会課題解決に対して、最初から完璧なアクションを起こすのは難しいので、取り組みが足りていない部分もたくさんあると思います。なので企業が改善を重ねられるよう、そういったことを見つけたら、発信していただければと思います。企業も敏感になっていますし、消費者の皆さんの声に教えていただくこともたくさんあります。
――ESG投資が盛んな海外では、投資家からの声を理由にESGに取り組む企業が多いと感じていますが、御社でESGに取り組み始めたきっかけは何かありましたか?
もともと私たちはCSRとしてスタートしましたが、「企業が社会に対して責任を持つ」という意味を持つCSRは、「本業とは別」という位置づけの印象が否めず、「本業を通じて社会貢献がしたい」丸井グループにとって違和感がありました。「環境・社会・ガバナンスの3つの要素に十分な配慮が必要だ」というESGは、丸井グループが達成したい「本業を通じた社会へのお役立ち」に通じ、めざしているものに合致していると感じました。
ESG推進部ができてからは、さまざまな外部機関に評価をしていただき、足りていない点を改善し、統合報告書(共創経営レポート)などで開示するようにしています。
――お話を聞いて、丸井グループのサステナブルな取り組みは先進的だと感じました!他社との違いはどこにあるのでしょうか?
ビジネスを通じて取り組むことで、「単なる社会貢献ではなく、利益と社会課題解決を両立させよう!」という気持ちが強いことだと思います。再エネの導入によりコストは上がりますが、一方で再エネをお客さまにおすすめし、そのお支払いにエポスカードで使っていただくことで、きちんとビジネスと両立させていることが良い事例だと思います。
また、「これからどういう風に進められるか?」と、現状を起点に考える企業も多いと思いますが、丸井グループでは「目標とする未来に向けて、今何ができるか?」というバックキャスト思考で取り組みを進めています。「準備を万全にしてから始めるよりも、走りながら考える」というスピード感も特徴の一つかもしれません。
生徒の皆さんからは、たくさんのご質問をいただきました
講義後は、「サステナブルな消費を促進するためには企業がどのようなことをすれば良いか」というテーマで、学生の皆さんに2チームに分かれていただき、グループワークを行いました。
「環境に負荷をかけない新しい素材の開発」「店舗にドリンクサーバーを設置し、お客さまのマイボトルに飲みものの量り売りを行う」「使い終わったプラスチック容器を店舗に持ちこみ、ポイントを付与する」などの施策をご提案いただきました。
労働・賃金・人権などに関する問題、大量生産による商品のライフサイクルの短期間化、マイクロプラスチックの問題から、ファストファッションの課題解決をテーマに考えていただきました。「フェアトレード商品をお客さまに訴求」「おしゃれとサステナブルを両立させる商品づくり」「すべての商品がサステナブルなお店づくり」という施策をご提案いただきました。
今回、学生たちが、初めて実在する企業を題材にESGやSDGsについて考え、議論する機会となりました。これまで、企業のESG活動の多くは機関投資家に背中を押されたことがきっかけという印象がありましたが、丸井グループでは「いかにビジネスに結びつけるか」という観点で思考されている印象で、これがまさにESG活動を持続可能にしている秘訣だと感じました。
学生からの率直な感想・質問も真正面から受け止め、丁寧にお答えいただいたことも、感謝しています。
また、皆さまが楽しそうにプレゼンされている様子から、風通しの良さのようなものを垣間見た気もしています。
(左から)丸井グループ サステナビリティ部 桑江 真莉子、永井 英男
桑江:学生の皆さんのグループワークを通して、人によって興味のある社会課題は多岐にわたるとあらためて実感しました。企業においても個人においても、一人ひとりが解決したい課題や得意分野に取り組み、それが広がっていくことでさまざまな社会課題を解決していけたらと感じました。これからも多様な方々と一緒に取り組んでいきたいと思います!
永井:今回、学生さんの声をダイレクトに聞けたことで、サステナブルをビジネスにするには、エコなイメージだけでなく、「かわいい」「おしゃれ」「おいしい」といったきっかけをつくることが大事だとあらためて感じました。株主・投資家の方からのESGへの評価はいただいているものの、お客さまへは伝わっていない部分も多くあると感じているので、マルイに来店していただいた時に、サステナブルを感じられるような店舗づくりやブランディングを将来世代の皆さんともっと共創していければと思います。
「国際基督教大学でサステナビリティについて講義を行いました!」?"サステナビリティを推進することで経営への弊害はないの?""丸井グループがESGに取り組み始めたきっかけは?"など、学生の皆さんから多くの質問をいただき、貴重な対話の機会となりました#Z世代 #ESG投資https://t.co/trrL10fSVQ
— この指とーまれ! (@maruigroup) 2021年3月8日